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[ログ]『実戦運用記録 抜粋』
20xx.6.6 『シリアルナンバー89:Echo』の実戦における試験運用の許可が下りる。 作戦を滞りなく遂行するために『Echo』がかつて所属していた[編集済み]部隊に配属させた。 [編集済み]部隊が参加予定の作戦のブリーフィングに出席させる。 本ブリーフィングにおいて事象の把握能力や対人関係について問題は見られなかった。 作戦に参加させることを本決定とする。 20xx.6.7 メンターとの面談記録 - [落ち着いたブルーグレーのシャツを着た細身の男性が映り込んだ画面から録画が開始される] メンター:これから『Echo』と面談する。彼のメンタルを補助する役割の他、共同研究機関への情報提供として記録することとなっている。 [机の上に置かれた後、数回ドアをノックする音] メンター:『Echo』だね?入って大丈夫だよ Echo:失礼する [扉を開閉する音、大柄な男が部屋に入る様子] メンター:そしたらそこの椅子に座ってもらって Echo:了解 [机を挟んで向かい合うように席に着く様子] メンター:先に、この面談は記録されていることとその記
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整備士が作成したバックアップから抜粋された『シリアルナンバー89:Echo』の思考ログ
20xx.12.22 戦闘訓練には参加できなかった。 手の震えが止まらない、息が苦しい。 殺した人々の目が、戦場に転がった死体の目が、僕をずっと見ている。声も聞こえる、でもいろんな音が重なって、何を言っているのかわからない。 確かなのは僕は死ななければならないということだ。 生きていてはいけない、死ななければならない。 20xx.12.26 眠れなかった。 ブランケット越しに誰かが見てるような気がした。 20xx.12.29 眠れない。 「人でなし、地獄に落ちろ」ずっと声が止まない。 20xx.1.21 規則正しい生活はできる。そうしなければならないから。 でも、戦闘訓練の時間になるとシステムではどうにもできない動悸と震えが出てしまう。 今日もそうだった。 20xx.2.14 古傷が痛い。それを痛いと言う資格は僕には無い。 20xx.3.17 何度も何度も開発室でコードに繋がれて、その度に不快な感覚とフラッシュが意識を奪って、電子音と共に眼が覚める。 それでも直らない。 武器を持てない、訓練も作戦も参加しないといけな
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[ログ] 『異常が見られてからの開発、運用について』
作戦参加を拒絶しないようにプログラムを書き換えたり、コントロール機能に調節したり復旧を試みたが期待した効果を得られなかった。 エラーを起こしている部分のおおよその原因を絞り込むことができた。が、その部位は装置は脳と密接な関係にあり修正に対するリスクが大きい。...
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[ログ] 『「Echo」に保存された記録』
20xx.11.4 承諾した作戦に参加。 作戦区域はxx区域、目標はxxxx部隊の壊滅。 目標の達成はクライアントの敵対勢力において重要な位置にあり、膠着状態にある戦況を大きく動かす可能性が見込まれている。 論理システム 問題無し。 倫理システム 問題無し。...
読了時間: 4分
[ログ] 『運用記録』
20xx.6.6 『シリアルナンバー89:Echo』の実戦における試験運用の許可が下りる。 作戦を滞りなく遂行するために『Echo』がかつて所属していた部隊『[編集済み]』に配属させた。 [編集済み]部隊が参加予定の作戦のブリーフィングに出席させる。本ブリーフィングにおいて...
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[ログ] 『「Echo」概要』
『コードネーム「Echo」』 民間軍事会社の中でも特に「人を選ばない」ことで一部で重宝されている部隊の一員。彼は優れた体格と生命を「平等」に扱える優秀な傭兵であった。 彼は「Echo」の名前で識別されていた。 某区域での戦闘によって瀕死の重傷を負い、戦力として数えられなくな...
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コードネーム:Echo
両親の顔は覚えていない。いたのかすらわからない。いや、自分が生まれて生きているのだからいるんだろう。何一つ覚えていないが。 思い出せる一番古い記憶は自分の隣で泣きぐずっていた男子が叱責されているところだ。確か、腕相撲か何か勝負事をして自分が圧勝したとかでずるいとか、そんな...
読了時間: 5分
しあわせな揺り籠の中で
プレス機と焼却炉を見た時、今までに見たどんな死よりも惨たらしい終わりを迎えるんだと思った。そして、それがひどく恐ろしくなって、自分がそんな最期を迎えるに相応しいモノであることを差し置いて「死にたくない」とあらゆる拘束と制止を振り切って走り出した。僕の脱走を止めようとする職員...
読了時間: 8分
反響する視線
あたたかいごはんをたべられて、あしたのいきしにをかんがえなくてもよくて、しっかりとしたふくをきられて、僕が夢見たせいかつだ。ああ、なんてしあわせなんだろう。なんてばちあたりなんだろう。 「エコー、おやすみなさい」 整備士の娘は穏やかな声で僕に挨拶をする。...
読了時間: 3分
[ログ] 『異次元から来る焔』
【第**世界 惑星**の記録】 技術が発展しても文明の終焉を免れることはできない。ある世界では「地球」と呼ばれる惑星に非常によく似た惑星の巨大な文明社会は、隕石群の衝突によって終焉を迎える。 隕石衝突の瞬間、ある生命体(後に「イーライ・セイタン」を名乗る怪物、以下「イーライ...
読了時間: 4分
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